卓球のレシーブとは
レシーブとは、相手のサーブを打ち返すことです。「リターン」とも言います。
このレシーブにはルールがあり、レシーブルールまたはリターンルールといいます。レシーブはこのルールに沿って行わなければいけません。
<参考記事>初心者がおさえたい卓球のレシーブ・リターンルール
レシーブは、相手のサーブが成功し、自分のコート内に入ってきたボールを一度ワンバウンドさせ、次に相手コートに入るように打ちます。
このレシーブは、慣れないうちはとても難しい技術です。
相手が様々な種類の回転のサーブをかけてきた場合、その種類や回転に合わせて打ち返さないといけません。
またこれらのレシーブ動作は相手がサーブを放ってから、ほんの数秒で行う必要があります。。
初心者のうちはどんなサーブなのか判断できないといったことや回転を返せない、といったこともありますが、何度も繰り返し練習することで、サーブの種類や回転を見極められるようになってきます。
そのためにもレシーブのコツやポイントを覚えて、少しずつ練習していきましょう。
レシーブまでの流れ
ラケットの握り方(持ち方)
卓球のラケットにはシェークハンドとペンホルダーがあります。それぞれの握り方や持ち方を覚えていきましょう。
シェークハンドの握り方(持ち方)
握手するように握り、人差し指は伸ばして 中指と薬指、小指の3本でラケットの柄をつかみます。
ペンホルダーの握り方(持ち方)
親指と人差指で柄の根本を掴み、他の3本の指は裏面につけます。
3本の指は軽く曲げます。
親指の面を支える力加減で角度を調整します。
ラケットの握り方のポイントは力を入れすぎず、柔らかく握る事が大事です。
レシーブの構えから打球まで
はじめにレシーブの構え方から打球までの一連の流れです。
- 台からほんの少し離れたところで低い姿勢で構える。
- 相手のラケットがボールのどこを捉えているのかを見て、回転、コース、長さの予測の判断を素早くする。
- すばやく反応、フットワークを使い、ボールを打つ位置に移動。
- ボールに合わせて正しい打ち方でレシーブ。
次に、レシーブの構え方のポイントを解説します。
レシーブの構え方と位置
レシーブ構え方のポイント
- 台から少し離れたところに位置をとる
- ひざを曲げて、腰を落とし、低い姿勢の状態で
- ラケットを胸のあたりに構え、肩の力を抜き
- リラックスした姿勢で、相手のもつボールを注視する。
レシーブの打球のポイントを見極める。
つぎに打球のポイントについて解説していきます。
回転、コース、長さの予測の判断を素早く
相手がボールを打つときに、相手のラケットのどの部分にボールが当たっているかを見ることで
上回転もしくは下回転なのかを見極めることができます。
また、ボールのコースを見ることで、右回転と左回転を見極めることが出来ます。
上回転・下回転の見極め方のコツ
相手がラケットをボールに当てる位置が下であれば下回転、上であれば上回転というように覚えておきましょう。
相手がサーブを打つ際に、ボールをラケットに当てる位置がラケットの下側であれば下回転、上であれば上回転と判断します。
右回転・左回転の見極め方のコツ
右回転と左回転の見極め方は、ボールのコースを見ていけば判断しやすくなります。
右回転は回転が右にかかっていることから、自分のコート内の左側よりにボールが曲がってきます。
左回転は回転が左にかかっていることから、自分のコート内の右側よりにボールが曲がってきます。
右回転➡自分のコート内の左側よりにボールが曲がってきます。
左回転➡自分のコート内の右側よりにボールが曲がってきます。
ボールの長さの見極め方のコツ
相手コートでバウンドした場所と勢いから、サーブの長さを想像します。
相手コートでのバウンドが、
相手コート内のネットに近い場合は短いサーブ(ショートサーブ)。
反対にネットから遠い場合は、長いサーブ(ロングサーブ)になります。
相手が打ったボールが相手コート内でバウンドする時に、
相手コート内のネットに距離が近い場合はショートサーブ
その逆に相手コート内のネットから距離が遠い場合はロングサーブになります。
フットワークでボールを打つ位置に移動。
ボールの回転や長さをしっかり見極め、ボールの着地点が把握出来たらフットワークを使い、素早くボールを打つ位置に移動します。
上半身よりも下半身が先に動くようなイメージです。
<参考>卓球のフットワークの際の足の動きと練習方法はこちらで解説
正しい打ち方でレシーブ
自分のコート内にボールがワンバウンドしたら、ボールに合わせた正しい返球方法で確実に相手に返します。
基本的には回転系のボールは同じ回転で返すといったことがポイントです。
相手と同じ回転で返球することで、スムーズに返球することができるでしょう。
ただ同程度の回転力でレシーブするだけでなく、さらに強力な回転をかけて
相手に返すことで相手のミスを誘う事もできます。
卓球のレシーブの構えから打球までポイントまとめ
レシーブ構え方のポイント
- 台から少し離れたところに位置をとる
- ひざを曲げて、腰を落とし、低い姿勢の状態で
- ラケットを胸のあたりに構え、肩の力を抜き
- リラックスした姿勢で、相手のもつボールを注視する。
レシーブ打球までのポイント
回転
- 上下回転は相手がラケットにボールを当てる位置で判断する。
- 左右回転はボールのコースで判断する。
ボールの長さ
- 相手コート内でボールがバウンドした場所とネットとの距離で判断する。
フットワーク
- ボールへの反応は下半身から先に動かすイメージ
正しい打ち方でレシーブ
- 回転系のボールは基本的に同じ回転で返す
ここからはレシーブの基本的な打ち方と練習方法、
そして、卓球の回転の仕組み、回転の種類に応じたレシーブ技術などを解説していきます。
卓球のレシーブの基本的な打ち方
卓球の基本的な打ち方にはフォアハンドとバックハンドがあります。
それぞれの打ち方を覚えていきましょう。
フォアハンドの打ち方
卓球で最初に覚えるのがフォアハンドです。
フォアハンドとは利き腕側で打ち返す基本の技術です。
フォアハンドの基本的な打ち方
- 構え方の基本姿勢から、ボールにタイミングを合わせるように
- ラケットをフォア(利き腕側)側に引き、体の右斜め前で
- ボールを打ちながら、左斜め前にスイングします。
この時にあまり肘を動かさずに前腕を使います。
<参考>卓球のフォアハンドについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
バックハンドの打ち方
バックハンドは体の正面に来るボールに対して、バックで打ち返す基本技術です。
バックハンドの基本的な打ち方
- ボールに対して、打球面を前方に向けお腹の前まで ラケットを引きます。
- 肘を支点に、前腕を前に 出すようにして打ちます。
ラケット先端を回しながら前に出すイメージです。
<参考>卓球のバックハンドについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
卓球のフォアハンドとバックハンドはすべてのレシーブの基本となります。
最初はフォアハンドとバックハンドを身につけて、レシーブできるようにしていきましょう。
後々に様々な変化のあるレシーブ技術を繰り出すことに繋がります。
最初の内はフォームを覚えることから始めてみましょう。
卓球動画フォアハンド・バックハンドの基本
フォアハンドとバックハンドの基本動画
卓球における足の動き(フットワーク)
また、卓球では腕の動きだけでなくと足の動きが重要です。
足の動き、すなわち、卓球ではフットワークといいます。
卓球はボールを打つことが重要ですが、そのボールの着地点に移動しなければなりません。
フットワークが出来ないと、ボールに反応することは出来ても、着地点に素早く移動することは出来ません。そのためにも、フットワークをマスターする必要があります。
卓球にとって必要な動きをするためにも、このフットワークは欠かせないものです。
スイングなどの上半身の腕の動きに慣れてきましたら、
フットワークも取り入れていきましょう。
<参考>卓球のフットワークの際の足の動きと練習方法はこちらで解説
フォアハンドとバックハンドの練習方法
素振りによるスイング練習
基本的なフォームを覚えたら、次は素振りによるスイング練習がおすすめです。
最初はフォアハンドのフォームを繰り返し、スイングして練習していきます。
フォアハンドのフォームに慣れてきたら、バックハンドに進みましょう。
フォアハンドの基本的なフォームをもとに
繰り返しスイング練習をして
基本的なフォームを覚えていきます。
慣れてきたら、バックハンドもやってみましょう。
フォアハンド・バックハンド ラリー練習
ある程度基本フォームを覚えましたら、次はパートナーとラリー練習をします。
最初は、フォア打ちラリー練習を行い、フォアが慣れてきたら、次はバック打ちラリー、最後にフォアハンドとバックハンドを織り交ぜたクロスを行います。
フォアハンドによるラリー練習
フォアハンドによるラリー練習です。
お互いフォアハンドのみで返球するようにして、なるべく同じところに返すようにします。
バックハンドによるラリー練習
バックハンドによるラリー練習です。お互いバックハンドのみで返球してラリーをします。
相手がバックスイングで打ちやすいように、バック側の同じところに返すようにします。
フォアハンドとバックハンドを交互に打つラリー練習
フォアハンドとバックハンドを交互に打つラリー練習です。
フォアハンドとバックハンドを交互に打てるように、返球するのがポイントです。
最初の内は、ボールを当てるのが難しいかもしれませんが、徐々に慣れてきます。
まずは基本のフォアハンドで当てることから始めましょう。
フォアで慣れてきたら、次はバックハンドというように段階を踏んでいくのがおすすめです。
卓球動画 初心者向け練習方法
初心者向け練習メニューの解説
卓球動画 フォアハンドバックハンドの練習メニュー
初心者向け 卓球の練習法を紹介しています。
卓球のレシーブにおける回転の重要性
卓球のレシーブにとって、ボールの回転を知ることは重要です。
この回転を知らずして、レシーブを打つことは困難になります。
まずは基本的な回転のしくみを覚えていきましょう。
卓球のボールの回転の種類とは
卓球におけるボールの回転とは、上回転・下回転・横回転・この3種類が代表的な回転となります。
この3種類の回転を組み合わせていくと、様々な回転が生まれます。
上回転と左横回転を組み合わせると、左横上回転。
下回転と左横回転を組み合わせると、左横下回転というように組み合わせてサーブを打つことで、得点のチャンスを生み出すことにつながります。
この回転に対する知識においては、サーブをする側にも必要ですが、レシーブをする側においても必要不可欠です。
まずは、回転に関する知識をつけて、レシーブ技術を身につけていきましょう。
<参考>卓球における上回転・下回転についてはこちらの記事で解説
<参考>卓球における横回転についてはこちらの記事で解説
ボールの回転によって打ち分ける。
回転に関する知識をつけたあとは、回転の種類に応じたレシーブ技術を身につけていきます。
卓球において試合上でよく使用されている回転は、上回転・下回転・横回転・
まずは、この3種類の回転サーブに対する適切なレシーブ技術を、いくつかご紹介していきたいと思います。
上回転ボール向けのレシーブ技術
上回転ボールとは、ボールが進む方向にむかって回転している状態のことをいいます。上回転ボールを打球するには、フォアドライブ・バックハンドドライブ・スマッシュ・ブロックなどのレシーブ技術が最適です。
上回転ボールを返球するときには、相手の利き腕(ラケット側)の内側を狙ってコースを取ると良いでしょう。
フォアハンドドライブ
フォアハンドドライブとはフォアハンドの構えからボールを上にこすって上回転ボールを返します。
バックハンドドライブ
バックハンドドライブとはバックハンドの構えからボールを上にこすって上回転ボールを返します。
スマッシュ
体全体を使い大きく強くスイングする攻撃的なスタイル。上回転ボールにも対応しています。
ブロック
コンパクトなスイングで相手の上回転ボールを返球するための守備的テクニックです。
下回転ボール向けのレシーブ技術
下回転ボールとは、ボールが進む方向とは反対に回転している状態をいいます。
下回転ボールを打球するには、フォアカット・バックカット・ツッツキ・ストップなどのレシーブ技術が最適です。
相手が放った下回転ボールが高めに浮いた場合には、ドライブやスマッシュで攻撃するやり方もあります。
フォアカット
フォアカットは、下回転に対してラケットを上から下に切るように振り下ろして下回転をかけて返球する技術です
バックカット
バックカットは、バック側にきた下回転に対してラケットを上から下に切るように振り下ろして下回転をかけて返球する技術です。
ツッツキ
ツッツキは、ラケットを突くように打つことから、ツッツキと呼ばれています。
下回転ボールに対し、回転に逆らわずに相手に下回転のまま返球することができます。
ストップ
ストップとは、相手の攻撃をストップするようなスタイルで短い下回転のボールを返球するためのテクニックです。
横回転ボール向けのレシーブ技術
横回転ボールとは、ボールが左または右方向に回転している状態をいいます。
初心者向け横回転ボール返球方法
横回転のボールは、初心者にとって非常に打ちにくいボールです。
しかし、横回転ボールには回転の法則に沿った独自の動きがありますので、
この動きに沿った打ち返しパターンを覚えることで打球出来るようになります。
横回転ボールの打ち返しパターン
左横回転のボールはまっすぐラケットに当てると自分の左側に流れていきます。
そのため、相手のバック側にラケットの角度を合わせ、レシーブするとコートに入りやすくなります。
参考図は、左横回転です
右横回転のボールの場合は、その逆で相手のフォア側にラケットの角度を合わせ、レシーブするとコートに入りやすくなります。
横回転ボールを返球するときには、回転する方向に応じて、ラケットの打球面の向きを相手の左または右側に向けると、コート内に入りやすくなります。
その他、横回転ボールを打球するには、フリックといったレシーブ技術があります。
フリック
卓球のフリックとは短めの上回転や横回転などのボールをレシーブして返球するための台上技術です。
卓球のレシーブテクニック(技術)一覧はこちら
基本的なレシーブ方法から逆チキータまでをまとめて掲載
卓球のレシーブの基本的な打ち方とコツ まとめ
レシーブまでの流れそしてレシーブの構えから打球まで、さらに卓球のレシーブの基本的な打ち方とレシーブの練習方法、ボールの回転の種類や回転によっての打ち分けるレシーブ方法をなどを解説させて頂きました。
卓球をする上では欠かせないレシーブ技術。上達するために是非参考にしていただければと思います